浅田次郎「霧笛荘夜話」小説イメージサントラCD:高嶋ちさ子ほか

浅田次郎の小説「霧笛荘夜話」が好きです。
霧深い港の端に立つ奇妙な洋館≪霧笛荘≫を舞台にした7部屋7人の物語。
不幸に追い立てられてこのアパートに辿り着いた住人は皆、一癖二癖ある訳あり者ばかり。
それぞれお互いの人生に少しづつ関わり合いながら、各々の結末に向かって人生を漕ぎ進める連続短編小説です。
しっとりした趣深さと精緻に構成された物語が素敵です。
そんな「霧笛荘夜話」をモチーフにしたサントラCDを見つけました。
小説のサントラアルバムって珍しいですね。
タイトルは小説と同じく「霧笛荘夜話」。
バイオリニストの高嶋ちさ子さんらが参加しています。
古びたアパート霧笛荘に暮らす7人の姿を趣深い音色で表現しています。
加羽沢美濃、今野均&阿部篤志の3名の作曲家が作曲。
曲目
1. (霧笛荘のテーマ) 港の見える部屋
2. 鏡のある部屋
3. 朝日のあたる部屋
4. 瑠璃色の部屋
5. 花の咲く部屋
6. マドロスの部屋
7. (エピローグ) ぬくもりの部屋
演奏者
高嶋ちさ子(ヴァイオリン)
加羽沢美濃(ピアノ、キーボード)
今野均(ヴァイオリン)
遠山哲朗(ギター)
竹下欣伸(ベース)
奥田真広(パーカッション)
阿部篤志(ピアノ)
重なり合う音色が表現する7つの物語は小説の世界そのままです。
登場人物の姿や思いが楽器の音色に形を変えて美しい音楽を紡ぎます。
霧深い港の端に拠する奇妙な洋館(霧笛荘)のメインテーマ、大切な誰かを思い奏でるレクイエム、美しいノクターンに含まれた辛辣な心の叫び…etc.
物語を具体的にイメージしながら楽しめるって、音楽鑑賞の入り口としても分かりやすくていいですね。
登場人物のキャラクターや心情などを想像しながらうっとりと楽しめました。
小説を読んだことがある方は是非サントラCDも楽しんでみて下さい。
こころに触れる7つの短編『霧笛荘夜話』(浅田次郎著 / 角川書店発行)の主人公たちが描いた人生の軌跡を、気鋭の作曲家3人が五線譜に書きとめた新曲7編からなるミニアルバム。
小説を読んだことがない人は是非一度読んでみて下さい。
短編集なので読みやすいです。